基準点の壁

宅建試験はどうやって合格者を選別しているのでしょうか?

実は明確な条件があるわけではないのです。モチロン、適当に決めているわけではないのですけどね。一応、条件というものはあるんですけど、何点取れば、「ハイ!合格」というわけではないのですね。

その「条件」とは?

「基準点」

宅建試験には「基準点」という考え方があります。基準点とは合格基準点と言って、その点数に達していないと合格できない、いわゆる「足切り点」です。もっとも、足切りと言っても、この宅建試験の他に選抜方法が設けられているわけではありませんので、事実上の「合格点」ということになります。

基準点という考え方は、国家資格試験ではよく取り入れられている選抜方法で、司法書士試験にも行政書士試験にも採用されています。基準点は、その設定が試験毎に異なっていて、司法書士試験では相対評価(獲得点数ではなく受験者数の成績から相対的に決まる)、行政書士試験では絶対評価(他の受験者成績に関係なく獲得点数で決まる)、という具合です。
行政書士は6割取れば合格できる試験である
合格基準点-司法書士試験が難関試験である理由

宅建の基準点は?

宅建の基準点は相対評価ということになります。つまり、自分が獲得した点数よりも、受験者の中で何番目の点数を取ったかで合否が決まるのです。

さすがに満点取れば合格は間違いありませんが、「去年は○○点が基準点だったけど今年は同じ○○点取っても合格できなかった」なんてことは普通にあるのです。もちろん、逆に、「去年は○○点取って落ちたけど今年は同じ○○点取って合格できた」ということも普通にあります。冒頭で明確に決まっていないと言ったのはこのためです。

宅建の基準点は何点?

宅建の合格基準点は毎年変動すると言いましたが、ここで、過去5年間の基準点を見てみましょう。関連あるので合格者数と合格率も併せて載せておきます。

年度(平成) 基準点 合格者数(人) 合格率(%)
25 33 28,470 15.3
26 32 33,670 17.5
27 31 30,028 15.4
28 35 30,589 15.4
29 35 32,644 15.6
過去のデータで分かること

宅建の問題数は50問です。つまり、6割~7割程度取れば基準点は超えられるということになります。もっとも、過去10年まで記録を遡れば、基準点が35点以上の時もありました。7割では安心できません。7割5分(38点)取れば安全圏と考えます。

ところで、この表を見て頂くともうひとつわかることがあります。「何で基準点が毎年動くの?」とか考えませんか?基準点が動くということは、他で「動かない」数字がある証拠です。それに一番近いものは合格率でしょうか。多少の変動はありますが、15~17%で推移していますね。

つまり、基準点は、合格率をある程度一定に保つための調整弁という機能を持っているのだと推測します。だから、年毎の問題の難易度と合格者数のばらつきを、基準点で調整して合格率をある程度一定に保っていることができるのでしょう。

相対評価とはこういう機能があるのですね。